いろいろな方の障害の治療やコンディショニングをしていると、その原因に体幹の機能がうまく働いていないからではないかと考える場面 が多々あります。
この体幹の機能というのは、身体の軸をしっかり作ってくれるいわば家の土台みたいなものなのですが、なかなか意識しにくいものでもあるのです。この体幹の機能が低下してくると、バランスを取るときに偏りがみられたり、身体の筋の働きに偏りが生じてきて、腰痛や膝痛を起こすことにもつながってきます。腕を曲げたり、足を伸ばすというのは目でみて分かりやすくイメージもしやすいのですが、実際にやるとどこがどう動いているのかわかりにくいということも事実です。
また、腰痛のトレーニングなどで動きの大きい腹筋、背筋を鍛えることが数多く紹介されており、この筋肉との違いがイメージできないことも体幹機能をうまく使うことの妨げになっているように感じます。派手なマシンを使ったトレーニングではないことも、この地味な動きが推奨されない一つの原因かもしれません。もちろん、マシンを使ったトレーニングは基本を押さえていれば効果はしっかりでます。
体幹の機能の使い方のコツを知るだけで、腰の骨にかかる負担が腰などにかかる負担が減ってきます。最初のうちは体幹の筋肉を意識することは難しいと感じるのですが、頭の片隅に留めて思い出し時に練習しているとある時ふとこんな感じなのかなという感覚がでてきます。
ここまでこれば、あとはしめたものです。今度は意識しないと力が抜けにくくなってくるのです。話をしているときでも歩いているときでも自然に力が入っているようになります。これがスポーツをしている時などにもできるようになればスポーツで出る腰痛を回避することにもつながっていきます。
私達のすすめる体幹のコンディショニングは派手なものではありません。とにかく鍛えて鍛えるというものでもありません。地道に筋肉の働きを活性化させて、体幹の安定性を向上させていくというものです。
体幹の筋肉について勉強するのに少し専門的ですが入門書としてオススメなのが「脊椎の分節的安定性のための運動療法」です。